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プライオボックスを使用したボックスジャンプトレーニング

2020/06/22

先日ヘックスバーを使用したパワートレーニングに関して書きました。

パワーを向上させることはアスリートのトレーニングにおいて非常に重要です。

ただし一口にパワーといっても、パワーは力と速度の関係で発揮されるため、力優位なパワー速度優位なパワーがあります。

ウェイトトレーニングだけでなく、今回紹介するプライオボックスを使用したジャンプトレーニングを実施することで、様々なタイプのパワーを向上させることができます。



1. 力優位なパワーと速度優位なパワー


こちらの記事
で、力と速度の関係とパワーに関して書きました。低い速度では大きな力が発揮できますが、高い速度での運動では発揮される力は小さくなってしまいます。

そのため力と速度がともに最適化される負荷設定において、発揮されるパワーが大きくなります。

最大パワーが発揮される至適負荷はエクササイズによって異なります。ジャンプスクワットでは1RMの30%前後、クリーンでは1RMの80〜90%ほど、先日の記事で紹介したヘックスバージャンプでは1RMの10〜20%とされる報告(1)や、体重の40%の重量を用いた場合とする報告(2)があります。

エクササイズごとに発揮される最大パワーは異なりますが、パワーは力と速度の積で表されるので、実施するエクササイズの違いによって、より力の貢献度が高いパワー発揮、より速度の貢献度が高いパワー発揮という違いが生まれます。

クリーン、スクワットジャンプ(ヘックスバージャンプ)、垂直跳びの3つの運動において発揮されるパワーを考えてみると、力の貢献度はクリーン>スクワットジャンプ>垂直跳び、速度の貢献度は垂直跳び>スクワットジャンプ>クリーンとなります(3)。


参考3をもとに筆者作図


このように単に最大パワーが発揮される負荷でエクササイズを行うだけでなく、そのエクササイズがどんな特徴のパワーを発揮するかを考えることで、より効果的にパワーの向上を図ることができます。



2. プライオボックスジャンプ

プライオボックスを使用したトレーニングにボックスジャンプがあります。

方法はシンプルで、

「プライオボックスの下からボックスの上に向かってジャンプする」

これだけです。


 
先ほど力優位なパワー、速度優位なパワーとパワーの種類を紹介しましたが、ボックスジャンプは垂直跳びと同様に、より速度優位なパワーが発揮されます。

ジャンプのバリエーションとして、片足でジャンプするという方法もあります。この場合、片足でのパワー発揮のトレーニングとして行うことができます。



両足で行う場合と比較し、相対的に負荷が高くなることや、両足とは動員される筋が変化し、より実際のスポーツに特異的なトレーニングへ近くことなどが特徴と考えられます。

ボックスを使用することで、単純に垂直跳びをするよりも到達点を意識することでよりジャンプがしやすかったり、着地時の衝撃を軽減することで純粋にジャンプすることを目的としてトレーニングできるというメリットがあります。


プライオボックスを使用したジャンプ・パワートレーニングとしては、ボックスの上から跳び、着地同時に可能な限り素早く高く跳ぶ「ドロップジャンプ」と呼ばれるエクササイズもあります。

こちらは今回詳しく紹介はしませんが、プライオボックスジャンプよりもさらに速度を重視したパワートレーニングを行う際の一つの方法として実施することができます。

ただしエクササイズの難易度は高いので、まずはウェイトトレーニングによるパワートレーニングやプライオボックスジャンプによるパワートレーニングから行い、段階的にドロップジャンプなどのより速度を重視したパワートレーニング(プライオメトリックトレーニング)へ移行するのが良いでしょう。


プライオボックスジャンプはシンプルなジャンプトレーニングですが、速度優位のパワーの向上、上方向(鉛直方向)へのパワー発揮をトレーニングするのに優れたエクササイズです。

ウェイトトレーニングによるパワートレーニングと並行して行うことで、力と速度のバランスのとれたパワーの獲得に繋がる可能性が高くなるので、ぜひ行なってみてください。


ソフトプライオボックスの詳細はこちらから


参考文献

  1. Turner, T. S., Tobin, D. P., & Delahunt, E. (2015). Optimal loading range for the development of peak power output in the hexagonal barbell jump squat. Journal of Strength and Conditioning Research, 29(6), 1627-1632.
  2. Timothy, J. S., Shana, M. M., Olusegun, S., Logan, C., John, J. M., Irineu L., & Paul C. (2019). The Effect of Load Placement on the Power Production Characteristics of Three Lower Extremity Jumping Exercises. Journal of Human Kinetics, 68(1), 109–122.
  3. Force-Velocity Curve. SCIENCE for SPORT. https://www.scienceforsport.com/force-velocity-curve/#what-is-the-force-velocity-curve (参照2020-3-30)